Ⅱ.各治験の解説
※企業から了承が得られた情報を公開しています。
治験概要
更新日 2023年4月24日
治験依頼者 |
MSD株式会社 |
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疾患名(jRCTに掲載) | 【胃がん、大腸がん、食道がん】などの消化管のがん |
管理ID(治験ID) |
JapicCTI-205261 |
治験名 |
根治的化学放射線療法を受ける食道癌患者を対象にMK-3475とプラセボを比較する二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験(KEYNOTE 975) |
治験のフェーズ |
第3相 |
問い合わせ先 |
お手数をおかけしますが、以下へお問い合わせください 連絡先 :MSD jRCT 問合せ窓口 宛 連絡方法(メール) :msdjrct@merck.com |
治験成分記号 (治験薬一般名) (作用機序情報) |
治験成分記号:MK-3475
治験薬一般名(日本語):ペムブロリズマブ
治験薬一般名(英 語):pembrolizumab
ペムブロリズマブは、PD-1(Programmed cell Death-1)の伝達経路を阻害する抗体のくすりです。PD-1は、免疫系の細胞(T細胞)の表面上に存在し、がんに対する免疫のはたらきを抑え、免疫系ががんを攻撃できないようにします。ペムブロリズマブはPD-1に作用し、PD-1がPD-L1(PD-1と結び付くたんぱく質で、がん細胞の表面上にある)と結び付くことを防ぎ、免疫系ががんを攻撃できるように促すことで、がんに対して有効であると考えられています。 |
治験の概要 |
この治験の目的は根治的化学放射線療法(dCRT:化学療法と放射線療法を組み合わせて効果を高める治療)を受ける食道癌患さんを対象に、ペムブロリズマブとdCRTの併用療法がdCRT療法と比べてより良い治療かを調べることです。 ペムブロリズマブは国内外において根治切除不能な進行・再発の食道がんを含む適応症ですでに製造販売承認を取得し、販売されていますが、dCRTの対象となる食道がんに対してはまだ製造販売承認を取得していません。 この治験では、化学療法としてFP療法またはFOLFOX療法を使用します。 ? FP療法:フルオロウラシルとシスプラチンを併用投与する治療 ? FOLFOX療法:フルオロウラシル、レボホリナート及びオキサリプラチンを併用投与する治療 フルオロウラシルおよびシスプラチンは日本で食道がん患者さんに対する治療薬として既に承認・使用されています。レボホリナートおよびオキサリプラチンは日本で食道がん患者さんに対する治療薬として承認されていませんが、FOLFOX療法はシスプラチンの投与が困難な患者さんに対するFP療法の代替の方法として研究が行われています。 この治験では、以下の条件にあてはまる食道がんの患者さんに参加をお願いしています。 ? dCRTの適応となる食道がんと診断されている ? 治験担当医師により手術不能と診断されている ? 保存腫瘍組織検体または新たに採取した腫瘍生検検体を提出できる ただし他の条件も多数あり、本治験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります。 |
治験の実施方法の概要と注意事項 |
最長28日間のスクリーニング期間で1回以上来院頂き、本治験への参加の条件を満たすかを確認いたします。治験への参加が可能である場合、以下の2つの投与群のうちの1つに無作為に(さいころを振って決めるのと同じように)割り付けられ、割り付けられた投与群の治療を開始します。 がんが進行(悪化)した場合、許容できない副作用がみられた場合、または治験薬の投与ができないほどの合併症が起こった場合を除き、この治験に最長で約6年間参加していただきます。 ? 投与群1: ペムブロリズマブ+ dCRT(化学療法 + 放射線療法) ? 投与群2: プラセボ※ + dCRT(化学療法 + 放射線療法) ※ プラセボ(ペムブロリズマブと外観が似ているが有効成分を含まないもの) 専門家による医学的判断の結果、登録の条件を満たす方には治療薬が投与されます。 なお、本治験の治験薬は有効性・安全性が確立していないもので、それらの評価を厳密な管理のもとに行う段階です。 また、実施する治験薬の副作用が生じうるリスクがあり、治験への参加に伴う検査内容・検査方法等の詳細を含め、本治験への参加の可能性がある場合には、治験実施医療機関において直接説明を受けて頂く必要があります。 |
病院名 |
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Ⅰ 臨床試験登録情報
Ⅲ 疾患名(jRCT掲載)の解説について