Ⅱ.各治験の解説
※企業から了承が得られた情報を公開しています。
治験概要
更新日 2023年4月24日
治験依頼者 |
MSD株式会社 |
---|---|
疾患名(jRCTに掲載) | 【肺がん、乳がん】などの胸部のがん 【乳がん、子宮頸がん、子宮体がん】などの女性特有のがん |
管理ID(治験ID) |
jRCT2011210065 |
治験名 |
ミスマッチ修復機構欠損(dMMR)の進行又は再発子宮体癌患者を対象に一次治療としてMK-3475とプラチナ製剤を含む併用化学療法を比較する無作為化、実薬対照、非盲検、第Ⅲ相試験(KEYNOTE-C93/GOG-3064/ENGOT-en15) |
治験のフェーズ |
第3相 |
問い合わせ先 | |
治験成分記号 (治験薬一般名) (作用機序情報) |
治験成分記号:MK-3475
治験薬一般名(日本語):ペムブロリズマブ
治験薬一般名(英 語):Pembrolizumab
ペムブロリズマブは、PD-1(Programmed cell Death-1)の伝達経路を阻害する抗体のくすりです。PD-1は、免疫系の細胞(T細胞)の表面上に存在し、がんに対する免疫のはたらきを抑え、免疫系ががんを攻撃できないようにします。ペムブロリズマブはPD-1に作用し、PD-1がPD-L1(PD-1と結び付くたんぱく質で、がん細胞の表面上にある)と結び付くことを防ぎ、免疫系ががんを攻撃できるように促すことで、がんに対して有効であると考えられています。 |
治験の概要 |
この治験はミスマッチ修復機構欠損(dMMR)の子宮体癌を有する女性患者さんに、治験薬MK-3475を使用してもらう治験です。 子宮体癌は、子宮内の細胞や組織から発生する癌です。dMMRの細胞は、細胞分裂中に生じたDNAの異常を修復することができず、がんにつながると考えられています。 MK-3475は、キイトルーダ?(英語でKEYTRUDA?)という商品名で、さまざまながんの治療薬として国内外で承認されていますが、dMMRの子宮体癌に対する一次治療としてはまだ承認されていません。 dMMRの子宮体癌に対してMK-3475を一次治療で投与することは研究段階であると考えられます。 この治験では、MK-3475と標準化学療法を比較します。この治験で使用される化学療法は、カルボプラチンとパクリタキセルの併用療法です。これらの化学療法は、子宮体癌に対する標準的な治療法です。 この治験では、以下の条件にあてはまる18歳以上の女性患者さんが治験に参加できます。 ? dMMRのⅢ期/Ⅳ期または再発の子宮体癌もしくは癌肉腫であると組織学的に診断された ? 画像検査で評価が可能な病変がある ? 放射線療法とホルモン療法を除き、子宮体癌に対する全身療法を受けていない ? 適切な避妊法を用いることに同意している ? 腫瘍組織検体を提出できる ? B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスが検出されていない ? 臨床検査結果で適切な臓器機能が十分に保たれていると確認されている ただし他の条件も多数あり、本治験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります。 |
治験の実施方法の概要と注意事項 |
最初に約1か月のスクリーニング期間で1回以上来院頂き、治験に参加できる場合、次のステップとして治療の段階に入ります。安全性に問題がなくがんが進行(悪化)しない限り、MK-3475の投与期間は最長約2年間で、約3~6週間ごとに来院していただきます。化学療法の投与期間は約5ヶ月で、約3週間ごとに来院していただきます。 この治験では、以下の2つの投与群のいずれかに割り付けられます。 ●投与群1:MK-3475投与 ●投与群2:化学療法投与(パクリタキセル+カルボプラチン) 専門家による医学的判断の結果、登録の条件を満たす方には治療薬が投与されます。 なお、本治験の治験薬は有効性・安全性が確立していないもので、それらの評価を厳密な管理のもとに行う段階です。 また、実施する治験薬の副作用が生じうるリスクがあり、治験への参加に伴う検査内容・検査方法等の詳細を含め、本治験への参加の可能性がある場合には、治験実施医療機関において直接説明を受けて頂く必要があります。 |
病院名 |
Ⅰ 臨床試験登録情報
Ⅲ 疾患名(jRCT掲載)の解説について