Ⅱ.各治験の解説
※企業から了承が得られた情報を公開しています。
治験概要
更新日 2023年4月24日
治験依頼者 |
MSD株式会社 |
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疾患名(jRCTに掲載) | 【肺がん、乳がん】などの胸部のがん 【乳がん、子宮頸がん、子宮体がん】などの女性特有のがん |
管理ID(治験ID) |
jRCT2021220008 |
治験名 |
進展型小細胞肺癌の未治療患者を対象に、MK-7684A とエトポシド及びプラチナ製剤併用投与後のMK-7684A 投与を、アテゾリズマブとエトポシド及びプラチナ製剤併用投与後のアテゾリズマブ投与と比較する無作為化二重盲検第Ⅲ相試験 |
治験のフェーズ |
第3相 |
問い合わせ先 | |
治験成分記号 (治験薬一般名) (作用機序情報) |
治験成分記号:MK7684
治験薬一般名(日本語):-
治験薬一般名(英 語):Vibostolimab
MK-7684はTIGIT(T-cell immunoreceptor with Ig and immunoreceptor tyrosine-based inhibition motif domains)の伝達経路を阻害する抗体のくすりです。TIGITは免疫細胞(T細胞やナチュラルキラー細胞など)の表面上に存在し、がん細胞の表面上にある特定のたんぱく質(PVRやCD112)と結び付くことで免疫細胞の活性化と増殖を抑え、免疫細胞ががんを攻撃できないようにします。MK-7684はTIGITに作用し、TIGITが特定のたんぱく質と結び付くことを防ぎ、免疫細胞ががんを攻撃できるように促すことで、がんに対して有効であると考えられています。 |
治験成分記号:MK-3475
治験薬一般名(日本語):ペムブロリズマブ
治験薬一般名(英 語):Pembrolizumab
ペムブロリズマブはPD-1(Programmed cell Death-1)の伝達経路を阻害する抗体のくすりです。PD-1は、免疫系の細胞(T細胞)の表面上に存在し、がんに対する免疫のはたらきを抑え、免疫系ががんを攻撃できないようにします。ペムブロリズマブはPD-1に作用し、PD-1がPD-L1(PD-1と結び付くたんぱく質で、がん細胞の表面上にある)と結び付くことを防ぎ、免疫系ががんを攻撃できるように促すことで、がんに対して有効であると考えられています。 |
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治験成分記号:MK-7684A
治験薬一般名(日本語):MK-7684とペムブロリズマブ(MK-3475)の配合剤
治験薬一般名(英 語):Vibostolimab/ Pembrolizumab
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治験の概要 |
この治験はMK-7684A(MK-7684とMK-3475の配合剤)を化学療法と併用して、進展型小細胞肺癌の患者さんに使用してもらう研究です。 小細胞肺癌は肺癌の一種で、この治験では小細胞肺癌が両側の肺や体の他の部位に広がった(進展型小細胞肺癌)患者さんを対象としています。 MK-7684A+化学療法をアテゾリズマブ+化学療法と比較します。 アテゾリズマブも免疫療法の1つであり、国内外において様々な適応症の治療薬としてすでに製造販売承認を取得し販売されており、進展型小細胞肺癌に対しても、カルボプラチンとエトポシドとの併用療法において承認されていますが、シスプラチンとエトポシドとの併用療法においては承認されていません。 この治験では、以下の条件にあてはまる非小細胞肺癌の患者さんに参加をお願いしています。 ●組織学的または細胞学的に進展型小細胞肺癌と診断され、一次治療を必要とする ●画像検査で評価可能な病変がある ●臨床検査結果で適切な臓器機能が十分に保たれていると確認されている ただし他の条件も多数あり、本治験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります。 |
治験の実施方法の概要と注意事項 |
最初に最長28日間のスクリーニング期間で1回以上来院頂き、あなたが治験に参加できる場合、次のステップとして治療の段階に入ります。 治験薬の投与期間は、あなたの健康状態や治験薬に対する副作用によって変わります。 ●最初の12週間(3か月)は、化学療法の投与を、あなたによい効果をもたらすと考えられる限り行います。 ・エトポシドは3週間ごとに3日間続けて投与されます。 ・シスプラチンまたはカルボプラチンは3週間ごとに投与されます。 ●この最初の治療期間において、MK-7684Aまたはアテゾリズマブも3週間ごとに投与します。 ●化学療法を受けている期間中、3週間ごとに、1週目は3回の来院、2週目は1回の来院を繰り返します。 ●化学療法の投与終了後は、3週間ごとに来院し、MK-7684Aまたはアテゾリズマブの投与を、あなたによい効果をもたらすと考えられる限り続けます。 ●治療期間中にがんが悪化した際に、治験薬の投与を継続できる場合もあります。その場合は、治験担当医師が治療の選択肢について説明します。治験薬の投与を継続することに同意される場合は、追加の同意文書への署名をお願いいたします。専門家による医学的判断の結果、登録の条件を満たす方には治療薬が投与されます。 なお、本治験の治験薬は有効性・安全性が確立していないもので、それらの評価を厳密な管理のもとに行う段階です。また、実施する治験薬の副作用が生じうるリスクがあり、治験への参加に伴う検査内容・検査方法等の詳細を含め、本治験への参加の可能性がある場合には、治験実施医療機関において直接説明を受けて頂く必要があります。 |
病院名 |
Ⅰ 臨床試験登録情報
Ⅲ 疾患名(jRCT掲載)の解説について