Ⅱ.各治験の解説
※企業から了承が得られた情報を公開しています。
治験概要
更新日 2023年4月24日
治験依頼者 |
MSD株式会社 |
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疾患名(jRCTに掲載) | 【胃がん、大腸がん、食道がん】などの消化管のがん |
管理ID(治験ID) |
jRCT2031220197 |
治験名 |
PD-1/PD-L1阻害剤による治療歴のない進行食道癌患者を対象にMK-3475(ペムブロリズマブ)を含む複数の併用療法を評価する非盲検アンブレラプラットフォーム第Ⅰ/Ⅱ相試験(KEYMAKER-U06):サブ試験06A |
治験のフェーズ |
第1-2相 |
問い合わせ先 | |
治験成分記号 (治験薬一般名) (作用機序情報) |
治験成分記号:MK-3475
治験薬一般名(日本語):ペムブロリズマブ
治験薬一般名(英 語):Pembrolizumab
ペムブロリズマブはPD-1(Programmed cell Death-1)の伝達経路を阻害する抗体のくすりです。PD-1は、免疫系の細胞(T細胞)の表面上に存在し、がんに対する免疫のはたらきを抑え、免疫系ががんを攻撃できないようにします。ペムブロリズマブはPD-1に作用し、PD-1がPD-L1(PD-1と結び付くたんぱく質で、がん細胞の表面上にある)と結び付くことを防ぎ、免疫系ががんを攻撃できるように促すことで、がんに対して有効であると考えられています。 |
治験成分記号:MK-4280A
治験薬一般名(日本語):MK-4280とMK-3475の配合剤
治験薬一般名(英 語):favezelimab / Pembrolizumab
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治験成分記号:MK-4280
治験薬一般名(日本語):ファベゼリマブ
治験薬一般名(英 語):favezelimab
MK-4280はLAG-3(Lymphocyte-activation gene 3:リンパ球活性化遺伝子3)の伝達経路を阻害する抗体のくすりです。LAG-3は、血中や免疫系の細胞(T細胞や樹状細胞)の表面上に存在し、特定のたんぱく質と結び付くことで免疫系の細胞の活性化と増殖を抑え、免疫系ががんを攻撃できないようにします。MK-4280はLAG-3に作用し、LAG-3が特定のたんぱく質と結び付くことを防ぎ、免疫系ががんを攻撃できるように促すことで、がんに対して有効であると考えられています。 |
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治験成分記号:MK-4830
治験薬一般名(日本語):未定
治験薬一般名(英 語):未定
MK-4830は、がんの周りに存在する骨髄由来免疫抑制細胞(MDSC)上に存在する、ILT4(immunoglobulin-like transcript 4:免疫グロブリン様転写物4)を標的とする抗体のくすりです。ILT4は、主に骨髄細胞の表面上に存在し、主要組織適合抗原複合体(MHC)クラスⅠ分子(ILT4と結び付くたんぱく質で、がん細胞の表面上にある)と結び付くことで、がんに対する免疫系の細胞(T細胞)のはたらきを抑え、免疫系ががんを攻撃できないようにします。MK-4830はILT4に作用し、ILT4がMHCクラスⅠ分子と結び付くことを防ぎ、免疫系(T細胞)ががんを攻撃できるように促すことで、がんに対して有効であると考えられています。 |
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治験の概要 |
この治験は、進行食道扁平上皮癌の患者さんを対象に、様々な治験薬を組み合わせて使用してもらう研究です。 治験薬の組み合わせは以下のとおりで、これらの組み合わせはすべて研究段階にあります。 ●MK-3475+化学療法 ●MK-4280A+化学療法 ●MK-3475+MK-4830+化学療法 ●MK-3475+MK-4830+レンバチニブ この治験で使用する化学療法はパクリタキセルです。パクリタキセルは、食道扁平上皮癌に対する標準治療の一つです。 MK-3475とレンバチニブは、それぞれ国内外で様々ながんの治療薬として既に承認されています。 MK-3475は食道扁平上皮癌の治療薬として日本で承認されていますが、この治験で用いる他の治験薬との併用投与は食道扁平上皮癌に対する治療としてまだ承認されていません。 レンバチニブは食道扁平上皮癌の治療薬として日本ではまだ承認されていません。 MK-4280AとMK-4830はまだ研究段階にあり、単独投与または本治験で用いる他の治験薬との併用投与は、食道扁平上皮癌に対する治療としてまだ承認されていません。 この治験では、以下の条件にあてはまる進行食道扁平上皮癌の患者さんに参加をお願いしています。 ? 転移性または切除不能な局所進行の食道扁平上皮癌と診断されている ? 抗PD-1/PD-L1療法による治療を受けたことがない ? がんに対する治療を1種類受け、がんの進行(悪化)が確認された ? 血圧が適切にコントロールされている ただし他の条件も多数あり、本治験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります。 |
治験の実施方法の概要と注意事項 |
最初に約4週間のスクリーニング期間で1回以上来院いただき、次の投与期間で以下の4つのグループのうち、あなたが割り当てられたグループの治験薬を投与します。 どのグループに割り当てられるかは、あなたが治験に参加する時点でどのグループが参加可能な状態になっているかによって決まります。参加可能な状態になっている各グループに割り当てられる確率は同じです。 ●グループ1:MK-3475+化学療法(パクリタキセル) ●グループ2:MK-4280A+化学療法(パクリタキセル) ●グループ3:MK-3475+MK-4830+化学療法(パクリタキセル) ●グループ4:MK-3475+MK-4830+レンバチニブ MK-3475、MK-4280A、MK-4830は治験薬を投与できなくなるような重篤な副作用が生じない限り、約2年間(35コース)投与します。 レンバチニブおよび化学療法(パクリタキセル)は、あなたのがんが進行(悪化)せず、治験薬を投与できなくなるような重篤な副作用が生じない限り投与を継続します。 専門家による医学的判断の結果、登録の条件を満たす方には治療薬が投与されます。 なお、本治験の治験薬は有効性・安全性が確立していないもので、それらの評価を厳密な管理のもとに行う段階です。 また、実施する治験薬の副作用が生じうるリスクがあり、治験への参加に伴う検査内容・検査方法等の詳細を含め、本治験への参加の可能性がある場合には、治験実施医療機関において直接説明を受けて頂く必要があります。 |
病院名 |
Ⅰ 臨床試験登録情報
Ⅲ 疾患名(jRCT掲載)の解説について