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Ⅱ.各治験の解説  
※企業から了承が得られた情報を公開しています。

治験概要

更新日 2023年8月8日

治験依頼者

大鵬薬品工業株式会社

疾患名(jRCTに掲載) 【肺がん、乳がん】などの胸部のがん
未治療の局所進行切除不能又は転移性の非小細胞肺癌
管理ID(治験ID)
治験名

非小細胞肺癌患者を対象としてAB122,AB154及び化学療法併用の忍容性,安全性及び有効性を検討する第1相試験

治験のフェーズ

第1相

問い合わせ先

大鵬薬品工業株式会社 相川 統紀子

治験成分記号
(治験薬一般名)
(作用機序情報)
治験成分記号:AB122 治験薬一般名(日本語):- 治験薬一般名(英 語):Zimberelimab

AB122は、PD-1(Programmed cell Death-1)の伝達経路を阻害する働きを持っている治験薬です。がんは、免疫系の細胞(T細胞)の表面上に存在するPD-1と結合し、ヒトの免疫の攻撃から逃れています。がんとPD-1の結合を防ぐことで、ヒトの免疫細胞であるT細胞が、がんを攻撃できるようにします。AB122は、動物での実験でがんを小さくしたり、大きくならないようにする効果があることがわかりました。海外で実施されている治験では、がん患者さんの様々な種類のがんを小さくしたり、大きくならないようにすることが報告されています。AB122は、国内および海外で開発が進められており、中国ではホジキンリンパ腫の治療薬として承認されています。

治験成分記号:AB154 治験薬一般名(日本語):- 治験薬一般名(英 語):Domvanalimab

AB154は、T cell immunoglobulin and ITIM domain(TIGIT)の伝達経路を阻害する働きを持っている治験薬です。がんは、免疫の細胞(T細胞)の表面上に存在するTIGITと結合し、免疫の攻撃から逃れています。がんとTIGITの結合を防ぐことで、T細胞ががんを攻撃できるようにします。AB154は、動物での実験でがんを小さくしたり、大きくならないようにする効果があることがわかりました。海外で実施されている治験では、AB122とAB154を投与してがん患者さんの様々な種類のがんを小さくしたり、大きくならないようにすることが報告されています。

治験の概要

この治験では,非小細胞肺がんの患者さんを対象に,治験薬であるAB122とAB154を化学療法と併用投与していただき,その効果と安全性を確認することを目的としています.一緒に投与いただく化学療法は,「パクリタキセル+カルボプラチン」または「アルブミン懸濁型パクリタキセル+カルボプラチン」または「ペメトレキセド+カルボプラチン」または「ペメトレキセド+シスプラチン」であり,いずれも現在用いられている標準的な化学療法です.

この治験では,非小細胞肺がんであることが診断されている,非小細胞肺がんに対して術前または術後化学療法以外の全身治療を受けたことがない,放射線照射をしていない腫瘍組織または新たな生検(麻酔をしてから内視鏡下等で腫瘍組織の一部を採取すること)により採取した腫瘍の提供ができる,画像などによる客観的検査(CT、MRIなど)で,測定できるがんが確認されている等の条件を満たす方を対象としています.

ただし他の条件も多数あり,本治験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります.

治験の実施方法の概要と注意事項

本治験では,ランダム化は行われず,専門家による医学的判断の結果,登録の条件を満たす方には治験薬が投与されます.なお,本治験の治験薬は有効性・安全性が確立していないもので,それらの評価を厳密な管理のもとに行う段階です.また,実施する治験薬の副作用が生じうるリスクがあり,治験への参加に伴う検査内容・検査方法等の詳細を含め,本治験への参加の可能性がある場合には,治験実施医療機関において直接説明を受けて頂く必要があります.

病院名
  • 大阪医科薬科大学病院(旧称:大阪医科大学附属病院)

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