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各治験の解説 ※企業から了承が得られた情報を公開しています。

更新日 2024年3月14日

治験依頼者

アッヴィ合同会社

疾患名(jRCTに掲載) 【肝細胞がん、膵臓がん】などの肝臓・胆のう・膵臓のがん
肝細胞がん
肝細胞癌
管理ID(治験ID)
治験名

肝細胞癌(HCC)を有する成人患者において,静脈内投与のBudigalimabを併用したときの静脈内投与のLivmoniplimabの有害事象及び疾患活動性の変化を評価する試験[M24-147]

治験のフェーズ

第2相

問い合わせ先

問い合わせ窓口:くすり相談室

連絡先(メール/電話): AbbVie_JPN_info_clingov@abbvie.com

治験成分記号
(治験薬一般名)
(作用機序情報)
治験成分記号:ABBV-151 治験薬一般名(日本語):- 治験薬一般名(英 語):livmoniplimab

TGF-β1は免疫抑制作用があり、抗PD-1抗体薬の抗がん作用を抑制する働きがあります。

livmoniplimab(ABBV-151)はGARP-TGF-β1複合体を標的とするモノクローナル抗体です。livmoniplimabが結合することにより、TGF-β1をGARPに固定させることで、活性化されたTGF-β1の遊離を抑え、免疫反応を促進することで、抗PD-1抗体薬の抗がん作用を増強すると期待されています。

治験成分記号:ABBV-181 治験薬一般名(日本語):- 治験薬一般名(英 語):budigalimab

リンパ球はがん細胞の表面にあるがん抗原を認識して活性化することで、同じがん抗原を持つがん細胞を選択的に攻撃します。

しかし、リンパ球の表面にあるPD-1が、がん細胞の表面にあるPD-L1と結合すると、リンパ球の働きが低下し、がん細胞を攻撃できなくなります。

budigalimab(ABBV-181)は、細胞表面に発現しているPD-1に対して高い親和性で結合するヒト組換え型モノクローナル抗体です。PD-1と特異的に結合し、PD-1とPD-L1の結合を妨げ、リンパ球の働きが低下することを防ぎます。その結果、リンパ球はがん細胞を攻撃することができるようになり、がんを小さくする効果を示すと考えられています。

治験成分記号:- 治験薬一般名(日本語):レンバチニブ 治験薬一般名(英 語):lenvatinib

がん細胞が増殖するためには、がん組織に栄養分と酸素を供給する新たな血管を形成すること、すなわち血管新生が必要です。血管をつくる血管内皮細胞の表面には、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)と呼ばれるタンパク質が存在し、強力な血管新生促進作用をもつ血管内皮増殖因子(VEGF)と結合することによって、細胞内に血管新生の刺激を伝えます。この刺激にはVEGFRのチロシンキナーゼという酵素が重要な役割を果たします。レンバチニブはVEGFRのチロシンキナーゼの働きを抑えることにより、血管新生の刺激が血管内皮細胞内に伝わることをブロックします。これにより血管新生を阻害し、がん細胞を増殖させず、やがて死滅させる効果を狙っています。

治験成分記号:- 治験薬一般名(日本語):ソラフェニブ 治験薬一般名(英 語):sorafenib

ソラフェニブは腫瘍細胞においては増殖因子受容体(FLT-3/c-KIT/RET)およびMAPキナーゼ経路のRafを阻害し、腫瘍細胞増殖を阻害します。血管内皮細胞・周皮細胞においては増殖因子受容体(VEGFR/PDGFR)およびMAPキナーゼ経路のRafを阻害し、血管新生を阻害します。

治験の概要

 本治験の目的は、肝細胞癌に対する治療薬としてlivmoniplimab(ABBV-151)及びbudigalimab(ABBV-181)の併用投与の効果(有効性)と副作用(安全性)について調べることです。

 本治験では、以下の基準にあてはまる患者さんに参加をお願いしています。

 ・Child-Pugh(チャイルド・ピュー)分類Aである

 ・ECOG PS が0 又は1である

 ・肝細胞癌の一次治療で免疫チェックポイント阻害薬の投与を受けた

 ・血液機能及び末端臓器機能が正常である

 ・スクリーニング時に組織生検が可能である

 ・外科的及び/ 又は局所的な治療法の適応とならない疾患,又は外科的及び/ 又は局所的療法後に進行した疾患を有する

 ただし他の条件も多数あり、本治験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります。

治験の実施方法の概要と注意事項

本治験では、ランダム化(割付比率1:1:1)が行われ、専門家による医学的判断の結果、登録の条件を満たす方には治療薬が投与されます。

 ①livmoniplimab(用量A)+ budigalimab、②livmoniplimab(用量B)+ budigalimab、③レンバチニブ又はソラフェニブのいずれかの治療が実施されます。

 なお、本治験の治験薬は有効性・安全性が確立していないもので、それらの評価を厳密な管理のもとに行う段階です。

 また、実施する治験薬の副作用が生じうるリスクがあり、治験への参加に伴う検査内容・検査方法等の詳細を含め、本治験への参加の可能性がある場合には、治験実施医療機関において直接説明を受けて頂く必要があります。

病院名

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