<治験の目的>
前立腺特異的膜抗原(PSMA)陽性の高リスク局所前立腺癌(HRLPC)患者を対象として,手術[すなわち,根治的前立腺摘除術(RP)及び骨盤リンパ節郭清術(PLND)]実施前の[177Lu]Lu-PSMA-R2(AAA602)及び[225Ac]Ac-PSMA-R2(AAA802)による放射性リガンド療法(RLT)の術前補助療法の安全性,忍容性,抗腫瘍活性,薬物動態,及び被ばく線量を明らかにすること。
<適格基準>
・18 歳以上の成人。
・治験実施計画書の指示に従い,PSMA 画像診断薬を用いたPSMA PET / CT スキャンでPSMA陽性の病変を有すると判定された被験者。適格性は治験依頼者の中央読影規則に従って判断する。
・組織学的に診断された無処置の高リスク前立腺癌を有し,Gleason スコアが8 以上及び/又はPSA が20 ナノグラム/ミリリットル(ng/mL)を超える,及び/又はcT3a 以上である患者。
・十分な臓器機能を有する被験者:
骨髄予備能:
白血球(WBC)数が3.0 × 109/L 以上かつ好中球絶対数(ANC)が1.5 × 10*9/L 以上
血小板数が75 × 10*9/L 以上
ヘモグロビンが8 g/dL 以上
肝機能:
総ビリルビンが基準値上限(ULN)の1.5 倍以下。ジルベール症候群を有することが判明している被験者では,ULN の3 倍以下。
アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)がULN の3.0 倍以下
アルブミンが3.0 g/dL を超える
腎機能:
クレアチニンクリアランスが60 mL/min 以上。尿路閉塞を示す所見がある患者は不適格であることに注意する。腎機能への影響が確認されている腎臓の先天異常の所見がないか,治験薬の安全な投与を妨げる可能性があると治験責任医師が判断する排尿異常が認められない被験者。
・Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)Performance Status(PS)が0 又は1 の患者。
・根治的前立腺摘除術(RP)及び骨盤リンパ節郭清術(PLND)を受ける適応がある患者。
・妊娠可能な女性パートナーがいる性活動が可能な患者は,スクリーニングから治験期間中及び治験薬の最終投与後少なくとも6 ヵ月間にわたり以下の避妊法のうち1 つを継続して使用することに同意した場合,治験参加に適格とする:
通常の望ましいライフスタイルとして陰茎と腟を介した性交を行わず(長期的かつ継続的な禁欲),その状態を継続することに同意している。 避妊手術を受けている(精管切除済みであることが適切に記録され,射精した精液中に精子がないことが立証されている)。
・現時点で妊娠しておらず,パートナーのコンドーム使用に同意する妊娠可能な女性と陰茎と腟を介した性交を行う場合は,男性用コンドームの使用に同意するとともに,8.4.6項に記載する極めて効果的な避妊法(年間失敗率が1%未満)をパートナーに使用してもらうことに同意している。
・また,被験者は,スクリーニングから治験期間中及び治験薬の最終投与後少なくとも6 ヵ月間は精子を提供してはならない。
・妊娠中又は授乳中のパートナーがいる性活動が可能な患者は,陰茎と腟を介した性交を行わない禁欲状態を継続するか,治験期間中に陰茎を挿入する際は必ず男性用コンドームを使用することに同意しなければならない。
<除外基準>
・プロトコルに記載の併用禁止療法を受けている被験者。
・HRLPC の治療のため既承認又は治験中の全身抗がん治療(例:化学療法,治験治療,免疫療法,又はモノクローナル抗体を含む生物学的製剤)をC1D1 の予定日前28 日(又は当該治療の半減期の5 倍のいずれか長い方の期間)以内に受けた患者。
・既承認又は治験中の放射性リガンド療法,既承認又は治験中の放射性同位体による治療歴を有する患者。
・前立腺に対する放射線療法,前立腺癌に対する他の切除術,又は前立腺癌に対するホルモン療法による治療歴を有するか,これらの治療を併用している患者。
・余命に影響を与えると考えられるか,疾患評価に支障を来すおそれのある他の活動性悪性腫瘍の診断を受けている被験者。悪性腫瘍の既往歴がある患者のうち,十分な治療を受けており,なおかつランダム化前3 年超にわたり無病かつ無治療である被験者,並びに十分に治療された非悪性黒色腫皮膚癌,表在性膀胱癌を有する被験者については,組入れ可とする。
ただ し他の条件も多数あり、本治験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります。