Ⅱ.各治験の解説
※企業から了承が得られた情報を公開しています。
治験概要
更新日 2023年10月10日
治験依頼者 |
エーザイ株式会社 |
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疾患名(jRCTに掲載) | 【肝細胞がん、膵臓がん】などの肝臓・胆のう・膵臓のがん 【乳がん、子宮頸がん、子宮体がん】などの女性特有のがん 肝細胞癌,固形がん,大腸癌,子宮体癌(現在は、肝細胞癌,子宮体がんの患者さんを募集しています) |
管理ID(治験ID) |
jRCT2080224780 |
治験名 |
固形がん患者を対象としたE7386 と他の抗がん剤との併用療法の非盲検第1b 相試験 |
治験のフェーズ |
第1相 |
問い合わせ先 |
問い合わせ窓口: hhcホットライン |
治験成分記号 (治験薬一般名) (作用機序情報) |
治験成分記号:E7386
治験薬一般名(日本語):-
治験薬一般名(英 語):-
E7386 は、転写コアクチベーターであるCREB結合タンパク質(CBP)とβ-cateninの間のタンパク質–タンパク質相互作用を阻害し、Wntシグナルに依存した遺伝子発現を調節するCBP/β-cateninモジュレーターです。E7386は、Wntの下流に位置するCBPとβカテニンとの相互作用を阻害するため、リガンド依存性の活性化だけでなく、adenomatous polyposis coli(APC)やβ-cateninなどのWntシグナル因子の遺伝子変異に起因する活性化も阻害することが期待されます。 |
治験成分記号:E7080
治験薬一般名(日本語):レンバチニブ
治験薬一般名(英 語):Lenvatinib
がん細胞が増殖するためには、がん組織に栄養分と酸素を供給する新たな血管を形成すること、すなわち血管新生が必要です。血管をつくる血管内皮細胞の表面には、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)と呼ばれるタンパク質が存在し、強力な血管新生促進作用をもつ血管内皮増殖因子(VEGF)と結合することによって、細胞内に血管新生の刺激を伝えます。この刺激にはVEGFRのチロシンキナーゼという酵素が重要な役割を果たします。レンバチニブはVEGFRのチロシンキナーゼの働きを抑えることにより、血管新生の刺激が血管内皮細胞内に伝わることをブロックします。これにより血管新生を阻害し、がん細胞を増殖させず、やがて死滅させる効果を狙っています。 |
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治験の概要 |
■治験の目的■ 固形がん患者さんにおいて、E7386とレンバチニブとの併用療法における安全性及び忍容性を確認し、次段階の臨床試験の推奨用量を決定します。 ●用量漸増パート 肝細胞がん及びその他固形がん患者さんを対象としています。 E7386とレンバチニブとの併用療法の安全性及び忍容性を確認し、拡大パートにおけるE7386の推奨用量を決定します。 E7386及びレンバチニブを毎日服用いただきます。 ※参加募集は終了しています。 ●拡大パート 肝細胞がん、大腸がん、子宮体がん患者さんを対象としています。 用量漸増パートで決定した推奨用量におけるE7386とレンバチニブとの併用療法の安全性及び有効性を確認します。 E7386を1日2回、レンバチニブを1日1回服用いただきます。 ※ご参加いただける肝細胞がん、子宮体がん患者さんを募集中です。 大腸がん患者さんの参加募集は終了しています。(2023年9月現在) ■参加できる患者さんの条件■ 「拡大パート」の主な適格基準は以下の通りです。 ●全身状態が良好かつ骨髄,肝臓,腎臓などの機能が保たれている方。 ●肝細胞がん患者さんのみ:進行性・転移性の肝細胞がんに対して以を満たす方。なお、過去にレンバチニブを使用した方は参加できません。 ①1 つのがん免疫療法のみの治療歴を有し、がん免疫療法中または治療後にがんの悪化が確認された方。 ②がん免疫療法が不適と医師から診断された場合は,全身治療歴がない方。 ●子宮体がん患者さんのみ:子宮体がんに対してプラチナ製剤を含む全身性の化学療法とがん免疫療法の両方(治療の合計が2つ以下)を実施した後にがんの悪化が確認された方。 がん免疫療法が不適と医師から診断された場合は,プラチナ製剤を含む全身性の化学療法を実施された方。 場合によっては治療が3つであっても治験に参加いただける場合があるため,担当医にご相談ください。 ■参加できない患者さんの条件■ 「拡大パート」の主な除外基準は以下の通りです。 ●HIV陽性が判明している方やその他の治療を要する感染症に罹患している方(肝細胞がんの場合,B型肝炎ウイルスまたはC型肝炎ウイルスへの感染は状況によって参加いただける可能性があります)。 ●髄膜がん腫症を有する方。 ●脳又は硬膜下転移を有する方。ただし、局所の治療が完了し、状態が安定していれば、脳又は硬膜下転移を有しても参加可能な場合があります。 ●肺のリンパ管症により治療が必要な方。 ●骨疾患又は骨の状態が治験参加に必要な条件を満たさない方。 ●治験参加2年以内に他のがんの診断や治療を受けている方。(がんの種類によっては治験に参加いただける場合もあります)。 ●子宮体がん患者さんのみ:過去にレンバチニブの副作用が原因で、レンバチニブを中止、又は14 mg未満まで減量された方。 ●子宮体がん患者さんのみ:癌肉腫(悪性ミュラー管混合腫瘍)、子宮平滑筋肉腫、及び子宮内膜間質肉腫の方。 ●肝細胞がん患者さんのみ:過去 6 ヵ月以内の肝性脳症の既往がある方。 ただし他の条件も多数あり、本治験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります。 |
治験の実施方法の概要と注意事項 |
本治験では、肝細胞がんパートのみE7386とレンバチニブの併用投与群とレンバチニブ単剤投与群に無作為に振り分けます(無作為化)。子宮体がんパートでは無作為化は行われません。いずれのパートでも治験に参加できるかどうかを治験スタッフが確認し、専門家による医学的判断の結果、登録の条件を満たす方には治験薬が投与されます。 なお、本治験の治験薬は有効性・安全性が確立していないもので、それらの評価を厳密な管理のもとに行う段階です。 また、実施する治験薬の副作用が生じうるリスクがあり、治験への参加に伴う検査内容・検査方法等の詳細を含め、本治験への参加の可能性がある場合には、治験実施医療機関において直接説明を受けて頂く必要があります。 |
病院名 | jRCTを参照 |
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