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各治験の解説 ※企業から了承が得られた情報を公開しています。

更新日 2025年11月12日

治験依頼者

MSD株式会社

疾患名(jRCTに掲載) 【胃がん、大腸がん、食道がん】などの消化管のがん
大腸がん
未治療のKRAS G12C変異陽性の切除不能な局所進行又は転移性大腸癌
管理ID(治験ID)
治験名

KRAS G12C 変異陽性の切除不能な局所進行又は転移性大腸癌患者の一次治療として、MK-1084+セツキシマブ+mFOLFOX6の安全性及び有効性をmFOLFOX6±ベバシズマブと比較する無作為化、多施設共同、非盲検、第Ⅲ相試験(KANDLELIT-012)

治験のフェーズ

第3相

問い合わせ先

企業名:MSD株式会社

問い合わせ先:MSDJRCT問合せ窓口 msdjrct@msd.com

治験成分記号
(治験薬一般名)
(作用機序情報)
治験成分記号:MK-1084 治験薬一般名(日本語):- 治験薬一般名(英 語):-

KRASは細胞の増殖をコントロールする役割をもつタンパク質です。細胞の表面にある「受容体」とよばれるさまざまなタンパク質から細胞を増やす信号を受け取り、活性化状態(ON)と不活性化状態(OFF)をスイッチのように切り替えながら、細胞の増殖を調節します。KRAS遺伝子に変異が生じるとKRASタンパク質はONの状態が続き、細胞を増やす信号を出し続け、その結果がん細胞の増殖が進むと考えられています。MK-1084は「G12C」という特定の変異が生じたKRASタンパク質に結合してその働きを妨げ、がん細胞の増殖を抑えることが期待されます。

治験の概要

この治験では、大腸がんの患者さんにMK-1084を標準治療と併用で使用していただきます。

今回の治験には2つのパートがあり、それぞれの目的は、以下のとおりです。

パート1

パート1の目的は、MK-1084をmFOLFOX6およびセツキシマブと併用したときの安全性を確認することです。

パート2

パート2は、パート1で得られた情報を検討した上で、MK-1084、mFOLFOX6およびセツキシマブの併用が、今後の治験でも安全であると判断された後に開始します。

パート2の目的は、以下のとおりです。

・MK-1084をmFOLFOX6およびセツキシマブと併用したときの安全性をさらに確認すること。

・mFOLFOX6±ベバシズマブと比較して、MK-1084、mFOLFOX6およびセツキシマブの併用がどの程度作用するかを確認すること。

・mFOLFOX6±ベバシズマブと比較して、MK-1084、mFOLFOX6およびセツキシマブを併用投与した方の生活の質が改善するかを確認すること。

・mFOLFOX6±ベバシズマブと比較して、MK-1084、mFOLFOX6およびセツキシマブを併用投与した方が長期に健康状態を維持できるかを調べること。

・参加予定期間および参加予定人数について

この治験には、世界で約477名(パート1:約15名、パート2:約462名)、そのうち日本では約28名の患者さんに参加いただく予定です。

この治験の参加期間は参加いただく方によって異なり、あなたの健康状態、および治験薬に対する忍容性(あなたがどの程度まで副作用を許容できるか)によって決まります。あなたのがんが悪化していることが明らかになるまで、またはこの治験薬を継続して使用してもあなたが利益を得られないと治験担当医師が判断するまで、治験薬の使用が可能です。

ただし他の条件も多数あり、本治験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります。

治験の実施方法の概要と注意事項

この治験には3つの段階があります。

・スクリーニング期:

最初に、あなたがこの治験に参加できるかどうかを治験スタッフが確認いたします。これはスクリーニングの段階と呼ばれ、期間は約1ヵ月間です。この間に、1回以上来院していただきます。

・治療期:

あなたが治験に参加できる場合、次のステップとして治験薬を使用する段階に入ります。

あなたのがんが悪化せず、治験薬に対する忍容性に問題がない限り治療期間を継続します。

o手術:治験薬の投与を開始した後にあなたのがんが良くなった場合は、がんの治療のために手術を受けることができる可能性があります。手術後も同じ治験薬の投与を継続します。こちらについては、治験担当医師からあなたに説明します。

治験薬の投与を受けている間は、約2週間に1回来院していただきます。

MK-1084を服用する場合、最初の1ヵ月は、2回の追加来院をしていただきます。こちらについては、治験担当医師または治験スタッフがあなたと相談します。

・フォローアップ期:

治験薬の使用が終わると、フォローアップの段階に入ります。

oがんの悪化により治験薬の投与を中止する場合、治験薬の投与を中止した後、約1~2回のフォローアップ来院を実施します。

oがんの悪化以外の理由により治験薬の投与を中止する場合、治験薬の投与を中止した後、約1~2回のフォローアップ来院を実施します。その後、あなたが治験に参加していた期間に応じて、約6週間または約12週間ごとの来院を継続いただきます。来院スケジュールについては、治験担当医師または治験スタッフから説明します。あなたのがんが悪化しない限り、フォローアップ期が継続します。

フォローアップのための来院が終了した後、治験担当医師または治験スタッフが約12週ごとまたはより頻回にあなたに連絡し、あなたの健康状態を確認します。

その他、有害事象の発現などにより治験担当医師が必要と判断した場合は規定された回数よりも多く受診いただき、追加の検査を行うことがありますので、あらかじめご了承ください。

専門家による医学的判断の結果、登録の条件を満たす方には治療薬が投与されます。

なお、本治験の治験薬は有効性・安全性が確立していないもので、それらの評価を厳密な管理のもとに行う段階です。

また、実施する治験薬の副作用が生じうるリスクがあり、治験への参加に伴う検査内容・検査方法等の詳細を含め、本治験への参加の可能性がある場合には、治験実施医療機関において直接説明を受けて頂く必要があります。

病院名

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