Ⅱ.各治験の解説
※企業から了承が得られた情報を公開しています。
治験概要
更新日 2022年6月23日
治験依頼者 |
アストラゼネカ株式会社 |
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疾患名(jRCTに掲載) | 【肺がん、乳がん】などの胸部のがん |
管理ID(治験ID) |
jRCT2061210088 |
治験名 |
白金製剤を含む根治的同時化学放射線療法の施行後に病勢進行が認められていない局所進行切除不能非小細胞肺癌(III期)患者を対象として、デュルバルマブ+Domvanalimab(AB154)を投与する第III相ランダム化二重盲検プラセボ対照国際多施設共同試験(PACIFIC-8) |
治験のフェーズ |
第3相 |
問い合わせ先 | |
治験成分記号 (治験薬一般名) (作用機序情報) |
治験成分記号:MEDI4736
治験薬一般名(日本語):デュルバルマブ[遺伝子組換え]
治験薬一般名(英 語):durvalumab
ヒトPD-L1に対するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1とその受容体であるPD-1との結合を阻害すること等により、抗腫瘍免疫応答を増強し、腫瘍増殖を抑制すると考えられます。 |
治験成分記号:AB154
治験薬一般名(日本語):-
治験薬一般名(英 語):Domvanalimab
Fc機能を持たないタイプの抗TIGIT抗体(TIGITはPD-1と同様にT細胞やNK細胞などの免疫細胞に発現する免疫チェックポイント受容体)です。腫瘍細胞に発現するリガンドであるCD155と結合することで抗腫瘍免疫の活性化を抑制し、さまざまながん種における予後不良に関連することが示唆されています。domvanalimabは、CD155がTIGITと結合するのを阻害することで免疫細胞の抑制を解除、さらにはCD155が免疫細胞の活性化受容体であるCD226と結合できるようになり、抗腫瘍免疫を活性化すると考えられています。 |
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治験の概要 |
本治験の目的は、白金製剤を含む根治的同時化学放射線療法後に病勢進行が認められていない切除不能な局所進行非小細胞肺癌(NSCLC)患者(ステージIII)を対象に、無増悪生存期間(PFS)を指標として、デュルバルマブ++domvanalimab併用投与の効果について、デュルバルマブ+プラセボ併用投与と比較評価することです。 本治験では、 ①組織学的又は細胞学的に確認された非小細胞肺癌を有し、かつ局所進行性の切除不能(ステージIII)疾患に対し同時化学放射線療法で治療されていること、 ②化学放射線療法の前に取得した腫瘍組織試料の提供が可能なこと、 ③中央検査機関で測定された腫瘍のPD-L1発現状態が1%以上であること、 ④EGFR及びALK野生型の状態が確認されていること、 ⑤白金製剤を含む根治的同時化学放射線療法後に進行が認められていないこと、 ⑥放射線療法と併用で白金製剤を含む化学療法を2サイクル以上受けていること、等の条件を満たす方を対象としています。 ⑦先行する化学放射線療法によるグレード2以上の肺臓炎を有する方は対象外となります。 ただし他の条件も多数あり、本試験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります。 |
治験の実施方法の概要と注意事項 |
専門家による医学的判断の結果、登録の条件を満たす方には治療薬が投与されます。本治験ではランダム化が行われますので、標準的な同時化学放射線療法後に①デュルバルマブ+domvanalimab併用投与、②デュルバルマブ+プラセボ併用投与のいずれかの維持治療が実施されます。 なお、本治験の治験薬は有効性・安全性が確立していないもので、それらの評価を厳密な管理のもとに行う段階です。 また、実施する治験薬の副作用が生じうるリスクがあり、治験への参加に伴う検査内容・検査方法等の詳細を含め、本治験への参加の可能性がある場合には、治験実施医療機関において直接説明を受けて頂く必要があります。 |
病院名 |