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各治験の解説 ※企業から了承が得られた情報を公開しています。

更新日 2024年3月14日

治験依頼者

MSD株式会社

疾患名(jRCTに掲載) 【肺がん、乳がん】などの胸部のがん
肺がん
固形がん(Arm 1)、非小細胞肺癌(Arm 2及びArm 3)
管理ID(治験ID)
治験名

進行固形がん患者を対象としたMK-2870単独療法及びペムブロリズマブ±化学療法との併用療法の 第Ⅰ相試験

治験のフェーズ

第1相

問い合わせ先

MSDJRCT問合せ窓口 msdjrct@merck.com

治験成分記号
(治験薬一般名)
(作用機序情報)
治験成分記号:MK-2870 治験薬一般名(日本語):- 治験薬一般名(英 語):-

MK-2870は、抗体-薬物複合体(ADC)と呼ばれるくすりの一種で、抗体薬に抗がん剤が結合したものです。MK-2870は、がん細胞の表面に存在するTROP2というたんぱく質に抗体が結合することでがん細胞内へ移行し、抗体と抗がん剤の結合が解かれ、抗がん剤が放出されます。放出された抗がん剤は、細胞内からがん細胞を攻撃することで、そのがん細胞を破壊します。また、がん細胞を破壊すると、がん細胞の外に抗がん剤が放出されるため、MK-2870がTROP2を介して結合したがん細胞に隣接する他のがん細胞に対しても、効果を発揮することが期待されます。

治験成分記号:- 治験薬一般名(日本語):ペムブロリズマブ(遺伝子組換え) 治験薬一般名(英 語):-

ペムブロリズマブは、PD-1(Programmed cell Death-1)の伝達経路を阻害する抗体のくすりです。PD-1は、免疫系の細胞(T細胞)の表面上に存在し、がんに対する免疫のはたらきを抑え、免疫系ががんを攻撃できないようにします。ペムブロリズマブはPD-1に作用し、PD-1がPD-L1(PD-1と結び付くたんぱく質で、がん細胞の表面上にある)と結び付くことを防ぎ、免疫系ががんを攻撃できるように促すことで、がんに対して有効であると考えられています。

治験の概要

[Arm1]

この治験は、進行固形がんの患者さんに治験薬(MK-2870)を使用してもらう研究です。MK-2870は研究段階にあり、国内外において承認されていません。これまでに日本人以外の患者さんに投与されたことはありますが、この治験で初めて日本人の患者さんに投与されます。

この治験の投与開始から21日間の目的は、

•MK-2870を単独投与した際の安全性と忍容性を調べることです。

それ以降の治験の目的は、

•引き続きMK-2870を単独投与した際の安全性と忍容性を確認し、治療効果を調べることです。

•MK-2870が体に入ってから体の外に出てくるまでに、どのようなことが起こるかを調べることです。

•MK-2870に対して抗薬物抗体(薬物の効果を妨げる抗体)ができるかどうかを調べることです。

[Arm2及びArm3]

この治験は、非小細胞肺癌と診断され、これまでに治療を受けたことがない患者さんにMK-2870を使用してもらう研究です。

この治験では、以下の2種類の併用療法のうちいずれかを使用します。

Arm 2:MK-2870+ペムブロリズマブ

Arm 3:MK-2870+ペムブロリズマブ+カルボプラチン

この治験の投与開始から21日間の目的は、

•MK-2870をペムブロリズマブやカルボプラチンと併用投与した際の安全性と忍容性を調べることです。

それ以降の治験の目的は、

•引き続きMK-2870を併用投与した際の安全性と忍容性を確認し、治療効果を調べることです。

•MK-2870が体に入ってから体の外に出てくるまでに、どのようなことが起こるかを調べることです。

•MK-2870に対して抗薬物抗体(薬物の効果を妨げる抗体)ができるかどうかを調べることです。

ただし他の条件も多数あり、本治験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります。

治験の実施方法の概要と注意事項

この治験には3つの段階があります。あなたがこの治験に参加される期間は、各段階にどれくらいの時間を費やすかによって変わります。

1)スクリーニング期間

最初に、あなたがこの治験に参加できるかどうかを治験スタッフが確認します。これはスクリーニング期間と呼ばれ、期間は最長約4週間(28日間)で、この間に1回以上来院します。

2)治療期間

[Arm1]

あなたが治験に参加できる場合、次のステップとして治験薬を使用する段階に入ります。あなたのがんが進行(悪化)する、または許容できない副作用が生じるまで、治験薬の投与を継続します。治験担当医師または治験スタッフが来院のスケジュールについてあなたと相談します。

なお、初回投与から21日間で用量制限毒性(用量が安全であると判断できない理由となる有害事象)を評価します。このためこの期間は、原則として入院または入院に準ずる管理で安全性の確認を行います。

[Arm2及びArm3]

あなたが治験に参加できる場合、次のステップとして治験薬を使用する段階に入ります。ペムブロリズマブの投与や化学療法、その他の検体採取や検査のため、より頻繁に来院していただく場合がありますが、治験担当医師はその都度あなたと相談します。あなたのがんが進行(悪化)する、または許容できない副作用が生じるまで、MK-2870の投与を継続します。ペムブロリズマブは最長2年間、カルボプラチンは約12週間使用します。

なお、初回投与から21日間で用量制限毒性(用量が安全であると判断できない理由となる有害事象)を評価します。このためこの期間は、原則として入院または入院に準ずる管理で安全性の確認を行います。

3)フォローアップ期間

治験薬の使用が終わると、フォローアップ期間に入ります。治験薬の投与を終了(または中止)後、投与終了/中止時検査のため来院します。さらに、新たな有害事象がないか、有害事象が続いていた場合にはその状態を確認するため最後の治験薬投与から約30日後に来院します。

○がんの進行(悪化)で治験薬の投与を中止した場合は、今後の治療についてあなたと相談し、12週間ごとまたはより頻回に連絡を取り、あなたの健康状態を確認します。また、がんに対する他の治療を開始した場合はその治療内容を調査します。

○がんの進行(悪化)以外の理由で治験薬の投与を中止した場合は、あなたの病気の状態を確認するため、48週目までは6週間ごと、その後は12週間ごとに来院します。治験担当医師または治験スタッフが来院のスケジュールについてあなたと相談します。その後がんが進行(悪化)した場合は、今後の治療についてあなたと相談し、12週間ごとまたはより頻回に連絡を取り、あなたの健康状態を確認します。また、がんに対する他の治療を開始した場合はその治療内容を調査します。

専門家による医学的判断の結果、登録の条件を満たす方には治療薬が投与されます。

なお、本治験の治験薬は有効性・安全性が確立していないもので、それらの評価を厳密な管理のもとに行う段階です。

また、実施する治験薬の副作用が生じうるリスクがあり、治験への参加に伴う検査内容・検査方法等の詳細を含め、本治験への参加の可能性がある場合には、治験実施医療機関において直接説明を受けて頂く必要があります。

病院名
  • 国立がん研究センター東病院

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  • 国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院

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  • 地方独立行政法人

  • 神奈川県立病院機構

  • 神奈川県立がんセンター

  • 静岡県立静岡がんセンター

  • 愛知県がんセンター

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