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各治験の解説 ※企業から了承が得られた情報を公開しています。

更新日 2025年5月14日

治験依頼者

MSD株式会社

疾患名(jRCTに掲載) 【乳がん、子宮頸がん、子宮体がん】などの女性特有のがん
卵巣がん
再発卵巣癌
管理ID(治験ID)
治験名

プラチナ製剤感受性再発卵巣癌患者を対象にプラチナ製剤併用化学療法による二次治療後の維持療法としてベバシズマブとの併用又は非併用下でMK-2870と標準療法の有効性及び安全性を比較する無作為化、実薬対照、非盲検、多施設共同、第Ⅲ相試験(TroFuse-022/ENGOT-ov84/GOG-3103)

治験のフェーズ

第3相

問い合わせ先

企業名:MSD株式会社

問い合わせ先:MSDJRCT問合せ窓口 msdjrct@merck.com

治験成分記号
(治験薬一般名)
(作用機序情報)
治験成分記号:MK-2870 治験薬一般名(日本語):- 治験薬一般名(英 語):-

MK-2870は、抗体-薬物複合体(ADC)と呼ばれるくすりの一種で、抗体薬に抗がん剤が結合したものです。

MK-2870は、がん細胞の表面に存在するTROP2というたんぱく質に抗体が結合することでがん細胞内へ移行し、抗体と抗がん剤の結合が解かれ、抗がん剤が放出されます。放出された抗がん剤は、細胞内からがん細胞を攻撃することで、そのがん細胞を破壊します。がん細胞を破壊すると、がん細胞の外に抗がん剤が放出されるため、MK-2870がTROP2を介して結合したがん細胞に隣接する他のがん細胞に対しても、効果を発揮することが期待されます。

TROP2は固形がんに多く発現する一方で正常組織での発現は低いことが知られており、MK-2870は細胞表面にTROP2をもつ細胞を標的とすることから、正常な組織に対して作用しにくくなることが期待されます。

治験の概要

この治験は維持療法期間中にベバシズマブと併用する場合又は併用しない場合においてMK-2870を使用してもらう研究です。


今回の治験の目的は、

?MK-2870を単剤またはベバシズマブと併用したときの安全性を調べることです。

?維持療法期間中に、MK-2870を単剤またはベバシズマブと併用したときにどのように作用するか、ベバシズマブ単剤または観察のみの場合と比較することです。

?維持療法期間中に、MK-2870を単剤またはベバシズマブと併用した方が、ベバシズマブ単剤または観察のみの場合と比べて生活の質が改善するか調べることです

<パート1>

?MK-2870およびベバシズマブの治療を受けます。

<パート2>

2つのグループいずれかに割り当てられます。

?グループ1:MK-2870とベバシズマブの併用またはMK-2870単剤の治療を受けます。

?グループ2:標準治療として、ベバシズマブの治療を受ける、または治験薬や他の抗がん治療を受けません。このことについて治験担当医師があなたと話し合います。

あなたが使用する治験薬は、あなたがパート1またはパート2のどちらに参加するかによって変わります。どちらのパートに参加するかはあなたがいつ治験に参加するかによって変わります。

この治験では以下のような患者さんが参加します。

?プラチナ製剤化学療法の初回治療を完了してから180日以上経過後に進行(悪化)した卵巣癌を有する

および

?卵巣癌の進行(悪化)後、次の治療としてプラチナ製剤化学療法を完了した

2回目のプラチナ製剤化学療法後、プラチナ製剤感受性卵巣癌のフォローアップの治療および観察は維持療法と呼ばれます。維持療法期間中の標準治療として、がん治療を受けない(観察)、またはベバシズマブと呼ばれる治療薬があります。このことについて治験担当医師があなたに説明します。

ただし他の条件も多数あり、本治験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります。

治験の実施方法の概要と注意事項

この治験には3つの段階があります。

1)スクリーニング期間:最初に、あなたがこの治験に参加できるかどうかを治験スタッフが確認いたします。これはスクリーニングの段階と呼ばれ、パート1では約4週間、パート2では約6週間続きます。この間に、1回以上来院していただきます。

2)維持療法期間:あなたが治験に参加できる場合、次のステップとして維持療法期間に入ります。あなたのがんが進行(悪化)しておらず、治験薬に対する忍容性があり、がんに対する他の治療を開始するまでが維持療法期間となります。

oあなたのがんが進行(悪化)した場合、治験薬の投与を継続する選択肢もあります。この選択肢について、治験担当医師はあなたと話し合います。この場合、別途お渡しする同意書にご署名いただく必要があります。

あなたが維持療法期間に来院する頻度は、あなたがどの治療を受けるかによって異なります。

?パート1またはパート2でMK-2870とベバシズマブの治療を受ける場合:6週間ごとに約4回来院します(1、15、22および29日目)。

?パート2でMK-2870単剤の治療を受ける場合:6週間ごとに約3回来院します(1、15および29日目)。

?パート2でベバシズマブ単剤の治療を受ける場合:6週間ごとに約2回来院します(1および22日目)。

?パート2で治療を受けない場合:維持療法期間の1日目に1回来院し、その後以下の頻度で来院します。

o約1年間(54週目まで)は約9週間ごと

oその後は約12週間ごと

治験担当医師または治験スタッフが、次の来院までの間にあなたの健康状態を確認するために連絡を取ります。また、必要に応じて、追加の来院をお願いすることもあります。

?治験担当医師または治験スタッフが、次の来院までの間にあなたの健康状態を確認するために連絡を取ります。また、必要に応じて、追加の来院をお願いすることもあります。

3)フォローアップ期間:維持療法期間が終わると、フォローアップの段階に入ります。

?あなたが治験薬の投与を受けていない場合(パート2/グループ2の一部の方)、維持療法期間が終了した時点で、治験担当医師または治験スタッフがあなたの健康状態を確認するために連絡を取ります。追跡調査のための来院は予定されませんが、治験担当医師または治験スタッフがあなたの健康状態を確認するため、約9~12週間ごとまたはより頻回に連絡を取ります。

?治験担当医師または治験スタッフが、来院スケジュールについてあなたと相談します。

治験のための来院を中止した後は、治験担当医師または治験スタッフがあなたの健康状態を確認するため、約12週間(3ヵ月)ごとまたはより頻回に連絡を取らせていただきます。

専門家による医学的判断の結果、登録の条件を満たす方には治療薬が投与されます。

なお、本治験の治験薬は有効性・安全性が確立していないもので、それらの評価を厳密な管理のもとに行う段階です。

また、実施する治験薬の副作用が生じうるリスクがあり、治験への参加に伴う検査内容・検査方法等の詳細を含め、本治験への参加の可能性がある場合には、治験実施医療機関において直接説明を受けて頂く必要があります。

病院名

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