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各治験の解説 ※企業から了承が得られた情報を公開しています。

更新日 2024年4月17日

治験依頼者

MSD株式会社

疾患名(jRCTに掲載) 【肺がん、乳がん】などの胸部のがん
肺がん
【胃がん、大腸がん、食道がん】などの消化管のがん
大腸がん
管理ID(治験ID)
治験名

KRAS G12C 遺伝子変異陽性の進行固形がん患者を対象にMK-1084単独投与及びMK-3475と併用投与した際の安全性、忍容性、薬物動態及び有効性を評価する多施設共同、非盲検、第Ⅰ相試験

治験のフェーズ

第1相

問い合わせ先

MSDJRCT問合せ窓口 msdjrct@merck.com

治験成分記号
(治験薬一般名)
(作用機序情報)
治験成分記号:MK-1084 治験薬一般名(日本語):- 治験薬一般名(英 語):-

MK-1084は、特定のKRASたんぱく質(KRAS G12C)に特異的に作用するくすりです。KRASは細胞増殖のシグナル伝達に関わるたんぱく質のひとつで、KRAS遺伝子に変異があると異常のあるKRASたんぱく質が作られ、細胞の増殖を促すシグナルが出され続け、がんの発生や増殖を引き起こすと考えられています。MK-1084は、KRAS G12Cに作用し間接的に細胞増殖のシグナル伝達を阻害することで、がんに対して有効であると考えられています。

治験成分記号:Mk-3475 治験薬一般名(日本語):ペムブロリズマブ 治験薬一般名(英 語):pembrolizumab

ペムブロリズマブは、PD-1(Programmed cell Death-1)の伝達経路を阻害する抗体のくすりです。PD-1は、免疫系の細胞(T細胞)の表面上に存在し、がんに対する免疫のはたらきを抑え、免疫系ががんを攻撃できないようにします。ペムブロリズマブはPD-1に作用し、PD-1がPD-L1(PD-1と結び付くたんぱく質で、がん細胞の表面上にある)と結び付くことを防ぎ、免疫系ががんを攻撃できるように促すことで、がんに対して有効であると考えられています。

治験の概要

この治験は治験薬MK-1084をKRAS遺伝子変異陽性の固形がんまたは非小細胞肺癌の患者さんに使用してもらう研究です。

MK-1084は単独またはMK-3475との併用で投与されます。

MK-1084はどの種類の癌に対してもまだ承認されていません。

MK-3475(ペムブロリズマブ)は、キイトルーダ?(英語でKEYTRUDA?)という商品名で、国内外において非小細胞肺癌を含む固形がんや他の種類の癌に対してすでに承認を取得し、販売されています。


この治験では、以下の条件にあてはまる固形がんまたは非小細胞肺癌の患者さんに参加をお願いしています。

? 同意時の年齢が18歳以上

? 第1群のみ:腫瘍組織または血液でKRAS G12Cの遺伝子変異が確認されている体の他の部位に腫瘍が拡がっている(転移性)または体の他の部位に腫瘍が拡がっていないが手術治療ができない(局所進行)の固形がんで、適応となる標準治療をすべて受けた

? 第2群のみ:腫瘍組織または血液でKRAS G12Cの遺伝子変異が確認されている、かつ、腫瘍組織でPD-L1 TPS 1%以上であることが確認されている転移性の非小細胞肺癌で、治療を受けたことがない

? 画像検査で評価が可能な病変がある

? 臨床検査結果により、骨髄、腎、肝機能などが十分に保たれていると確認されている

? 錠剤を飲み込んで服用することができる

? 妊娠中または授乳中ではない

? 適切な避妊法を用いることに同意する


ただし他の条件も多数あり、本治験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります。

治験の実施方法の概要と注意事項

最初に、最長40日間のスクリーニング期間で1回以上来院いただき、次の投与期間でがんの種類によって、以下の2つの治療群のいずれかに登録されます。現時点では、日本からは第1群にのみ参加可能です。

? 第1群:KRAS遺伝子変異陽性の進行固形がん

    o MK-1084の単独療法

? 第2群:KRAS遺伝子変異陽性で未治療の非小細胞肺癌

    o MK-1084とMK-3475の併用療法


専門家による医学的判断の結果、登録の条件を満たす方には治療薬が投与されます。

なお、本治験の治験薬は有効性・安全性が確立していないもので、それらの評価を厳密な管理のもとに行う段階です。

また、実施する治験薬の副作用が生じうるリスクがあり、治験への参加に伴う検査内容・検査方法等の詳細を含め、本治験への参加の可能性がある場合には、治験実施医療機関において直接説明を受けて頂く必要があります。

病院名

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