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各治験の解説 ※企業から了承が得られた情報を公開しています。

更新日 2024年3月22日

治験依頼者

大鵬薬品工業株式会社

疾患名(jRCTに掲載) 【肺がん、乳がん】などの胸部のがん
肺がん
管理ID(治験ID)
治験名

RET遺伝子異常を有する進行固形癌患者を対象とした選択的RET阻害剤

TAS0953/HM06の第1/2相試験

治験のフェーズ

第1/2相

問い合わせ先

TAS0953担当窓口

電話番号

03-3293-2455

治験成分記号
(治験薬一般名)
(作用機序情報)
治験成分記号:TAS0953/HM06 治験薬一般名(日本語):- 治験薬一般名(英 語):vepafestinib

 RETはシングルパス膜貫通型受容体チロシンキナーゼであり、TAS0953/HM06は、経口の選択性の高いRET阻害剤です。RETは染色体再構成(RET融合遺伝子)、点変異、コピー数増加、過剰発現/リガンド誘発性活性化などの異常により活性化されたとき、発癌ドライバーになり、癌の発生および進行に関わります。TAS0953/HM06はRET遺伝子異常によるRETの活性化を阻害することで抗腫瘍効果を発揮します。

RET融合遺伝子は主に非小細胞肺がん(発生率1%~2%)、甲状腺乳頭癌、結腸直腸癌、乳癌で発現します。RET遺伝子点変異は、多発性内分泌腫瘍症2A型(MEN2A)、家族性甲状腺髄様癌、MEN2Bを含め、遺伝性の甲状腺髄様癌で発現します。

治験の概要

 TAS0953/HM06は、RET遺伝子に異常のあるがん細胞の増殖を妨げるよう特別にデザインされた経口の治験薬です。

 RET遺伝子に変異や融合遺伝子陽性などの異常があると、がんの原因になったり、がんを悪化させることが報告されています。

 TAS0953/HM06は、動物や細胞を用いた試験から、がん細胞の増殖に対するRET遺伝子の異常の作用を妨げることによって、RET遺伝子に異常のある種々の細胞に対してのみ有効性を示すと考えられています。


 この治験は、第1/2相試験であり、第1相試験の用量漸増パートでは、この治験における治験薬である「TAS0953/HM06」の忍容性が確認できる最大の投与量を決定すること、治療に適した用量を特定すること、副作用を明らかにすることを目的としています。

 第1相試験の用量拡大パートでは、肺がんの患者さんに対して、この治験における治験薬である「TAS0953/HM06」の第2相で使用するのに適した用量(安全かつ耐えられるTAS0953/HM06推奨用量)を確認することを目的としています。

 第2相試験では、TAS0953/HM06が、がんにどのくらい効果を示すかを評価することを目的としています。

 本治験では、RET遺伝子に異常があることが確認されている進行固形がん患者の方を対象としています。

 ただし他の条件も多数あり、本試験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります。

治験の実施方法の概要と注意事項

 本試験は非盲検、単群、ファースト・イン・ヒューマン試験で、第1相と第2相の2部で構成されています。

 第1相は用量漸増パート及び用量拡大パートで実施し、第2相は3つのコホートで実施します。

 専門家による医学的判断の結果、登録の条件を満たす方には治験薬が投与されます。

 なお、本治験の治験薬は有効性・安全性が確立していないもので、それらの評価を厳密な管理のもとに行う段階です。

 また、実施する治験薬の副作用が生じうるリスクがあり、治験への参加に伴う検査内容・検査方法等の詳細を含め、本治験への参加の可能性がある場合には、治験実施医療機関において直接説明受けて頂く必要があります。

病院名

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