Ⅱ.各治験の解説
※企業から了承が得られた情報を公開しています。
治験概要
更新日 2023年7月24日
治験依頼者 |
MSD株式会社 |
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疾患名(jRCTに掲載) | 【肺がん、乳がん】などの胸部のがん 非小細胞肺癌 |
管理ID(治験ID) |
jRCT2031230031 |
治験名 |
PD-L1陽性[Tumor Proportion Score(TPS)≥50%]の転移性非小細胞肺癌患者を対象に、1次治療としてペムブロリズマブ(MK-3475)+ sacituzumab govitecan の併用療法をMK-3475単独療法と比較する非盲検多施設共同無作為化実薬対照第Ⅲ相試験(KEYNOTE-D46/EVOKE-03) |
治験のフェーズ |
第3相 |
問い合わせ先 |
企業名:MSD株式会社 問い合わせ先:MSDJRCT問合せ窓口 msdjrct@merck.com |
治験成分記号 (治験薬一般名) (作用機序情報) |
治験成分記号:-
治験薬一般名(日本語):サシツズマブ ゴビテカン
治験薬一般名(英 語):sacituzumab govitecan
sacituzumab govitecan(SG)は抗体薬物複合体(ADC)と呼ばれるくすりの一種で、抗体のくすりに抗がん剤が結合したものです。SGは、がん細胞の表面上に存在するトロホブラスト細胞表面抗原-2(Trop-2)というたんぱく質に結合することでがん細胞内へ移行し、抗がん剤であるSN-38を放出します。SN-38は、細胞内からがん細胞を攻撃することで、そのがん細胞を破壊します。がん細胞を破壊すると、がん細胞の外にSN-38が放出されるため、SG がTrop-2を介して結合したがん細胞に隣接する他のがん細胞に対しても、効果を発揮することが期待されます。またSGは、細胞表面にTrop-2をもつ細胞を標的とするため、正常な組織に対して作用しにくくなることが期待されます。 |
治験成分記号:MK-3475
治験薬一般名(日本語):ペムブロリズマブ
治験薬一般名(英 語):Pembrolizumab
ペムブロリズマブは、PD-1(Programmed cell Death-1)の伝達経路を阻害する抗体のくすりです。PD-1は、免疫系の細胞(T細胞)の表面上に存在し、がんに対する免疫のはたらきを抑え、免疫系ががんを攻撃できないようにします。ペムブロリズマブはPD-1に作用し、PD-1がPD-L1(PD-1と結び付くたんぱく質で、がん細胞の表面上にある)と結び付くことを防ぎ、免疫系ががんを攻撃できるように促すことで、がんに対して有効であると考えられています。 |
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治験の概要 |
この治験はsacituzumab govitecan(SG)の併用下または非併用下でペムブロリズマブを非小細胞肺癌の患者さんに使用してもらう研究です。非小細胞肺癌は肺癌の一種で、この治験では非小細胞肺癌が肺以外の部位に広がった(転移性非小細胞肺癌)患者さんを対象としています。 この治験で使用される薬剤は、ペムブロリズマブとSGです。 ペムブロリズマブはキイトルーダ®(英語でKEYTRUDA®)という商品名で、国内外において様々な適応症の治療薬として既に製造販売承認を取得し販売されています。 SGはTRODELVY®という商品名で、海外において様々な適応症の治療薬として既に承認されていますが、国内外において非小細胞肺癌では承認されていません。 今回の治験の目的は、 ●SGの併用下または非併用下におけるペムブロリズマブの安全性を調べることです。 ●ペムブロリズマブ+SGが非小細胞肺癌に対してどのように作用するかペムブロリズマブ単独療法と比較することです。 ●ペムブロリズマブ+SGを使用した方が、ペムブロリズマブ単独療法を使用した方と比べて、長期に健康状態を維持できるかどうかを調べることです。 ただし他の条件も多数あり、本治験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります。 |
治験の実施方法の概要と注意事項 |
最初に、約1カ月間のスクリーニング期間で1回以上来院いただき、以下の2つのグループのいずれかに割り当てられます。どのグループに割り当てられるのかは、コンピュータによって決められます。あなたに第1群の治験薬が使用される確率は2分の1、第2群の治験薬が使用される確率は2分の1です。 ●第1群:ペムブロリズマブ+SG ●第2群:ペムブロリズマブ 専門家による医学的判断の結果、登録の条件を満たす方には治療薬が投与されます。 なお、本治験の治験薬は有効性・安全性が確立していないもので、それらの評価を厳密な管理のもとに行う段階です。 また、実施する治験薬の副作用が生じうるリスクがあり、治験への参加に伴う検査内容・検査方法等の詳細を含め、本治験への参加の可能性がある場合には、治験実施医療機関において直接説明を受けて頂く必要があります。 |
病院名 |
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