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各治験の解説 ※企業から了承が得られた情報を公開しています。

更新日 2025年11月12日

治験依頼者

MSD株式会社

疾患名(jRCTに掲載) 【肺がん、乳がん】などの胸部のがん
乳がん
【乳がん、子宮頸がん、子宮体がん】などの女性特有のがん
乳がん
HR+/HER2-の切除不能な局所進行又は転移性乳癌
管理ID(治験ID)
治験名

ホルモン受容体陽性・ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HR+/HER2-)の切除不能な局所進行又は転移性乳癌患者を対象にMK-1022(HER3-DXd)の単独療法を治験担当医師が選択した治療(TPC)と比較する非盲検、無作為化、第Ⅲ相試験(HERTHENA-Breast04)

治験のフェーズ

第3相

問い合わせ先

企業名:MSD株式会社

問い合わせ先:MSDJRCT問合せ窓口 msdjrct@msd.com

治験成分記号
(治験薬一般名)
(作用機序情報)
治験成分記号:MK-1022(HER3-DXd) 治験薬一般名(日本語):- 治験薬一般名(英 語):-

HER3‑DXdは、モノクローナル抗体に化学療法剤を結合させた、抗体-薬物複合体(ADC)と呼ばれるがんに対する治験薬です。モノクローナル抗体とは、がん細胞の表面に存在する特定のタンパク質に狙いを定めるように作られた分子ですが、正常細胞にも影響を及ぼすことがあります。化学療法剤は、がん治療薬の一種であり、急速に増殖・分裂する細胞を攻撃します。化学療法剤は、通常がん細胞を攻撃しますが、正常細胞を攻撃することもあります。

HER3‑DXdは、ヒト上皮成長因子受容体3(HER3)と呼ばれる分子を発現する細胞を標的とします。HER3はがん細胞の表面に存在する多くのタンパク質の1つです。タンパク質は、体内にある細胞内およびその周辺で起こる多くの過程に重要な役割を果たしている高分子化合物です。研究によって、様々な種類のがん細胞では、HER3が多く発現していることが明らかになっています。HER3‑DXdは、HER3が発現しているがん細胞内に直接化学療法剤を届けることにより、がん細胞を攻撃するように作られています。HER3‑DXdに含まれる化学療法剤は、周囲のHER3が発現していないがん細胞にも効果を示す可能性があります。

治験の概要

この治験では、HR+/HER2-の切除不能な局所進行または転移性乳癌の患者さんにおいて、HER3‑DXdと治験担当医師が選択する標準療法(パクリタキセル、nab-パクリタキセル、カペシタビン、リポソーム化ドキソルビシン、T-DXd)のうちいずれか1剤を使用していただきます。

今回の治験の目的は、以下のとおりです。

・HER3-DXdと標準療法の安全性を評価すること。

・HER3-DXdがどのように作用するか、標準療法と比較して確認すること。

・HER3-DXdが長期に健康状態を維持し、がんの悪化を抑えることができるか、標準療法と比較して確認すること。

・HER3-DXdが生活の質を改善するか、標準療法と比較して確認すること。

・HER3-DXdが体に入ってから体の外に出てくるまでに、どのようなことが起こるかを調べること。

ただし他の条件も多数あり、本治験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります。

治験の実施方法の概要と注意事項

この治験には3つの段階があります。

・スクリーニング期間:最初に、あなたがこの治験に参加できるかどうかを治験スタッフが確認いたします。これはスクリーニングの段階と呼ばれ、約28日間続きます。この間に、1回以上来院していただきます。

・治療期:あなたが治験に参加できる場合、次のステップとして治験薬を使用する治療期に入ります。あなたのがんが進行(悪化)せず、治験薬の忍容性がある(副作用があなたの許容範囲内である)限り、治験薬の投与を継続します。治療期間中に来院する頻度は、あなたがどのグループに割り当てられるのかによって決まります:

 o グループ1:最初の12週間の投与期間中に、約8回来院していただきます。それ以降は約3週間に1回来院していただきます。

 o グループ2:どの化学療法を受けるかによって来院スケジュールが異なります。治験担当医師や治験スタッフが説明します。

・フォローアップ期間:治験薬の投与が終わると、フォローアップの段階に入ります。治験薬の投与を中止した後、約1~2回のフォローアップ来院を実施します。

 oがんの進行(悪化)により治験薬の投与を中止した場合は、治験薬の投与中止から約30日後に1回来院していただきます。これが治験で規定された最後の来院となります。

 oがんの進行(悪化)以外の理由で治験薬の投与を中止した場合は、治験薬の投与中止から約30日後に1回来院していただきます。その後、治験薬中止の時期に応じて、約6週または12週ごとにフォローアップのために来院していただきます。治験担当医師または治験スタッフがあなたとスケジュールを相談させていただきます。

フォローアップのための来院が終了した後、治験担当医師または治験スタッフが約12週ごとまたはそれ以上の頻度であなたに連絡し、あなたの健康状態を確認します。

専門家による医学的判断の結果、登録の条件を満たす方には治療薬が投与されます。

なお、本治験の治験薬は有効性・安全性が確立していないもので、それらの評価を厳密な管理のもとに行う段階です。

また、実施する治験薬の副作用が生じうるリスクがあり、治験への参加に伴う検査内容・検査方法等の詳細を含め、本治験への参加の可能性がある場合には、治験実施医療機関において直接説明を受けて頂く必要があります。

病院名

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