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各治験の解説 ※企業から了承が得られた情報を公開しています。

更新日 2025年11月12日

治験依頼者

MSD株式会社

疾患名(jRCTに掲載) 【肺がん、乳がん】などの胸部のがん
乳がん
【乳がん、子宮頸がん、子宮体がん】などの女性特有のがん
乳がん
TNBC又はHR低発現/HER2陰性乳癌
管理ID(治験ID)
治験名

高リスク早期トリプルネガティブ乳癌又はホルモン受容体低発現/ヒト上皮成長因子受容体2 型陰性乳癌患者を対象に、術前薬物療法としてMK-2870(Sacituzumab Tirumotecan、sac-TMT) +ペムブロリズマブ併用療法、その後続けて実施するカルボプラチン/パクリタキセル+ペムブ ロリズマブ併用療法の有効性及び安全性を化学療法+ペムブロリズマブ併用療法と比較する無作為化、非盲検、第Ⅲ相試験

治験のフェーズ

第3相

問い合わせ先

企業名:MSD株式会社

問い合わせ先:MSDJRCT問合せ窓口 msdjrct@msd.com

治験成分記号
(治験薬一般名)
(作用機序情報)
治験成分記号:MK-2870 治験薬一般名(日本語):- 治験薬一般名(英 語):-

MK-2870はモノクローナル抗体と細胞傷害性の薬剤である KL610023を結合させた治験薬です。細胞傷害性の薬剤はがん細胞を攻撃するだけでなく、正常細胞も攻撃する可能性があります。抗体は免疫系によって作られるタンパク質で、体が細菌やウイルスなどの異物とたたかうことを助けます。モノクローナル抗体は細胞の特定の標的分子に結合します。MK-2870はトロホブラスト抗原2(TROP2)と呼ばれるがん細胞の標的分子に結合します。TROP2の発現は正常細胞にも幾分みられますが、多くはがん細胞にみられます。MK-2870は、モノクローナル抗体にKL610023を結合させ、細胞傷害性の薬剤をがん細胞に直接届けることにより、がん細胞に対する効果を高め、正常細胞へのダメージを最小限に抑えることが期待されます。

治験成分記号:- 治験薬一般名(日本語):ペムブロリズマブ(遺伝子組換え) 治験薬一般名(英 語):-

ペムブロリズマブは、PD-1(Programmed cell Death-1)の伝達経路を阻害する抗体のくすりです。PD-1は、免疫系の細胞(T細胞)の表面上に存在し、がんに対する免疫のはたらきを抑え、免疫系ががんを攻撃できないようにします。ペムブロリズマブはPD-1に作用し、PD-1がPD-L1(PD-1と結び付くたんぱく質で、がん細胞の表面上にある)と結び付くことを防ぎ、免疫系ががんを攻撃できるように促すことで、がんに対して有効であると考えられています。

治験の概要

この治験では、トリプルネガティブ乳癌またはHR低発現/HER2陰性乳癌の患者さんに MK-2870 をペムブロリズマブとの併用で使用していただきます。

今回の治験の目的は、以下のとおりです。

・MK-2870+ペムブロリズマブ併用療法、その後続けて実施する化学療法+ペムブロリズマブ併用療法の安全性を確認すること。

・術前薬物療法において、化学療法+ペムブロリズマブ併用療法と比較して、MK-2870+ペムブロリズマブ併用療法、その後続けて実施する化学療法+ペムブロリズマブ併用療法がどの程度効くかを確認すること。

・術前薬物療法において、化学療法+ペムブロリズマブ併用療法を受けた方と比較して、MK-2870+ペムブロリズマブ併用療法、その後続けて実施する化学療法+ペムブロリズマブ併用療法を受けた方が長期に健康状態を維持できるかどうかを確認すること。

・術前薬物療法において、化学療法+ペムブロリズマブ併用療法を受けた方と比較して、MK-2870+ペムブロリズマブ併用療法、その後続けて実施する化学療法+ペムブロリズマブ併用療法を受けた方の生活の質が改善するかを確認すること。

ただし他の条件も多数あり、本治験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります。

治験の実施方法の概要と注意事項

この治験には、世界で約2,400名、そのうち日本では約100名の患者さんに参加いただく予定です。

この治験では、手術前に実施する以下 2 つの治療方法を比較します。

・MK-2870(sacituzumab tirumotecan、sac-TMT)+ペムブロリズマブ(MK-3475)併用療法、その後続けて実施する化学療法+ペムブロリズマブ併用療法

・化学療法+ペムブロリズマブ併用療法

手術前に実施する化学療法(術前薬物療法)には、カルボプラチン、パクリタキセル、ドキソルビシン(またはエピルビシン)、シクロホスファミドがあります。

手術後は全ての患者さんに対してペムブロリズマブによる治療を行います。ペムブロリズマブに加えて別の治療を追加で実施する場合と、実施しない場合があります。

この治験の参加期間は参加いただく方によって異なります。あなたの癌が悪化していることが明らかになるまで、またはこの治験薬を継続して使用してもあなたが利益を得られないと治験担当医師が判断するまで、治験薬の使用が可能です。

また、治験薬の使用中止後も追跡調査としてあなたの体調を約3、6または 12ヵ月ごとに電話または来院で確認させていただきます。

専門家による医学的判断の結果、登録の条件を満たす方には治療薬が投与されます。

なお、本治験の治験薬は有効性・安全性が確立していないもので、それらの評価を厳密な管理のもとに行う段階です。

また、実施する治験薬の副作用が生じうるリスクがあり、治験への参加に伴う検査内容・検査方法等の詳細を含め、本治験への参加の可能性がある場合には、治験実施医療機関において直接説明を受けて頂く必要があります。

病院名

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