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各治験の解説 ※企業から了承が得られた情報を公開しています。

更新日 2025年11月12日

治験依頼者

MSD株式会社

疾患名(jRCTに掲載) 【乳がん、子宮頸がん、子宮体がん】などの女性特有のがん
子宮体がん
子宮体癌
管理ID(治験ID)
治験名

ミスマッチ修復機構正常の子宮体癌患者における一次維持療法としてMK-2870とペムブロリズマブ併用療法の有効性及び安全性をペムブロリズマブ単独療法と比較する第Ⅲ相、無作為化、非盲検、多施設共同試験(TroFuse-033/GOG-3119/ENGOT-en29)

治験のフェーズ

第3相

問い合わせ先

企業名:MSD株式会社

問い合わせ先:MSDJRCT問合せ窓口 msdjrct@msd.com

治験成分記号
(治験薬一般名)
(作用機序情報)
治験成分記号:MK-2870 治験薬一般名(日本語):- 治験薬一般名(英 語):-

この治験で使用するMK-2870は、抗体-薬物複合体(ADC)と呼ばれるくすりの一種で、抗体薬に抗がん剤が結合したものです。

MK-2870は、がん細胞の表面に存在するTROP2というたんぱく質に抗体が結合することでがん細胞内へ移行し、抗体と抗がん剤の結合が解かれ、抗がん剤が放出されます。放出された抗がん剤は、細胞内からがん細胞を攻撃することで、そのがん細胞を破壊します。がん細胞を破壊すると、がん細胞の外に抗がん剤が放出されるため、MK-2870がTROP2を介して結合したがん細胞に隣接する他のがん細胞に対しても、効果を発揮することが期待されます。

治験成分記号:- 治験薬一般名(日本語):ペムブロリズマブ 治験薬一般名(英 語):-

ペムブロリズマブは、PD-1(Programmed cell Death-1)の伝達経路を阻害する抗体のくすりです。PD-1は、免疫系の細胞(T細胞)の表面上に存在し、がんに対する免疫のはたらきを抑え、免疫系ががんを攻撃できないようにします。ペムブロリズマブはPD-1に作用し、PD-1がPD-L1(PD-1と結び付くたんぱく質で、がん細胞の表面上にある)と結び付くことを防ぎ、免疫系ががんを攻撃できるように促すことで、がんに対して有効であると考えられています。

治験の概要

この治験は、ミスマッチ修復機構が正常な(pMMRといいます)子宮体癌を対象としています。この治験では、pMMRの子宮体癌の患者さんにMK-2870をペムブロリズマブとの併用で使用していただきます。

この治験では、MK-2870(sacituzumab tirumotecan、sac-TMT)とペムブロリズマブ(MK-3475)を併用で使用した場合と、ペムブロリズマブを単独で使用した場合を比較します。

MK-2870は研究段階のくすりです。ペムブロリズマブは、2剤の化学療法(カルボプラチンとパクリタキセル)との併用による子宮体癌の治療への使用が、規制当局により承認されています。

今回の治験の目的は、以下のとおりです。

・MK-2870とペムブロリズマブを併用投与した際の安全性を確認すること。

・ペムブロリズマブの単独投与と比較して、MK-2870とペムブロリズマブの併用投与のがんに対する効果を確認すること。

・ペムブロリズマブを単独投与した方と比較して、MK-2870とペムブロリズマブを併用投与した方の生活の質が改善するかを確認すること。

・ペムブロリズマブを単独投与した方と比較して、MK-2870とペムブロリズマブを併用投与した方の背部および骨盤部の痛みの程度を確認すること。

ただし他の条件も多数あり、本治験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります。

治験の実施方法の概要と注意事項

使用する治験薬は、あなたの健康状態や治験中にがんが悪化するかどうかによって変わります。

最初の治験薬投与(導入療法期)

最初にすべての患者さんにペムブロリズマブ、カルボプラチン、パクリタキセル(またはドセタキセル)が投与されます。この期間を導入療法期と呼びます。

治験担当医師の判断でペムブロリズマブを単独で1~2回追加で投与する可能性があります。この場合、治験担当医師または治験スタッフがあなたに説明します。

ペムブロリズマブ、カルボプラチン、パクリタキセルおよびドセタキセルは静脈内に針で投与(静脈注射)します。ペムブロリズマブ、カルボプラチン、パクリタキセル(またはドセタキセル)を3週間ごとに投与します。

導入療法期終了後の治験薬投与

導入療法期終了後に、MK-2870かペムブロリズマブの単独投与、またはMK-2870とペムブロリズマブの併用投与を受けることができる可能性があります。これらはすべて静脈注射で投与されます。MK-2870は2週間ごと、ペムブロリズマブは6週間ごとに投与します。

導入療法期終了後に使用する治験薬は、導入療法期を完了したときのあなたの健康状態や、あなたがその他すべての医学的要件を満たしているかどうかによって決まります。治験担当医師または治験スタッフがこれについてあなたと話し合います。

・導入療法期中または導入療法期終了直後にがんが悪化しておらず、その他すべての医学的要件を満たしている場合、維持療法期に移行します。

維持療法期では、以下の2つのグループのいずれかに割り当てられます。

o グループ1はMK-2870とペムブロリズマブの併用投与を受けます

o グループ2はペムブロリズマブの単独投与を受けます

・導入療法期中または導入療法期終了直後にがんが悪化した場合、その他すべての医学的要件を満たせば、後治療期に移行することができます。

後治療期では、以下の2つのグループのいずれかに割り当てられます。

o グループ1はMK-2870とペムブロリズマブの併用投与を受けます

o グループ2はMK-2870の単独投与を受けます

後治療期を開始する前に、追加の同意文書へのご署名が必要となります。

専門家による医学的判断の結果、登録の条件を満たす方には治療薬が投与されます。

なお、本治験の治験薬は有効性・安全性が確立していないもので、それらの評価を厳密な管理のもとに行う段階です。

また、実施する治験薬の副作用が生じうるリスクがあり、治験への参加に伴う検査内容・検査方法等の詳細を含め、本治験への参加の可能性がある場合には、治験実施医療機関において直接説明を受けて頂く必要があります。

病院名

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